音楽による街づくり 取手市をジャズの街に
もともと音楽が大好きでいろいろな楽器を演奏し、今もアマチュアバンドで活躍している岡田儀春さん。
音楽で地元を活性化しようと取手初のジャズ・フェスティバル開催に向けて忙しい毎日を送っている。
グループ・サウンズに憧れた中学時代
取手宿ひなまつりが開催されるのに合わせ、2月25日(土)26日(日)に取手で初のジャズ・フェスティバルが催される。その仕掛け人が取手市役所の政策推進部に勤める岡田さん。アマチュアのジャズバンドで演奏するバンドマンだ。
「子どもの頃から主要5教科以外はすべて得意でした」と笑い、体育も図工も好きだったというが、なかでも興味を引いたのが音楽。多感な中学生時代はまさにグループ・サウンズの全盛期。ステージの上で楽器を弾きながらカッコ良く歌う姿に憧れ、自分もいつかギターやドラムをやりたいと思っていた。中学・高校時代は吹奏楽部でトランペットを担当。家ではコタツ板をドラムに見立てて叩き、ギターの練習もした。卒業後は市民吹奏楽団に入り、ホルンを演奏。ちょうどその頃、楽団でジャズの巨匠、グレン・ミラーの曲をやろうという話が持ち上がった。それまでジャズには馴染みがなかったが、聴いてみると興味が沸き、ジャズに傾倒していった。今も演奏するベースとの出会いはこのとき。初めて触れる楽器だったがギターの経験が役立ち、難なくマスターできた。そして取手市役所の職員として働いていた20代半ば、役所内のイベントのために急遽バンドを結成。1980年に結成したことから「Swing’80(スイング・エイティ)」と名づけられたこのビッグバンドが、30年以上を経て、なお現役活動中なのだ。
聴いてくれる人が喜んでくれる演奏を
これだけ長く続けてこられた理由を尋ねると「みんなで音を合わせるのが楽しいから。そして演奏を聴いてくれたお客さんが、楽しんでくれるのが嬉しいから。お客さんの喜ぶ顔が見たくて演奏しているんですよ」。以前はダンスパーティや結婚式での演奏が多かったというが、最近は地域のイベントがメイン。子どもからお年寄りまでいろいろな人が集まるイベントでは、みんなが楽しめるよう選曲にも気を遣う。誰もが知っている曲を選び、アニメや映画の曲なども演奏することがある。ジャズのアレンジを加えた演奏に、観客はテンポよく音楽にのってスイングしながら聴いてくれる、そんな観客と一緒に楽しめる演奏を心がけているそうだ。
今回のジャズ・フェスティバルでもアマチュアバンドの一つとして参加する「Swing’80」。普段のイベントでは屋外で演奏することが多いというが、今回は室内。しかも大きなホール。しっかり音を聞かせることができる場所での演奏は、いつもよりなお一層力が入る。メンバー15人が揃うのは難しく、練習は月2回しかできないが、少ない練習時間ながら誰もが気合十分に本番に備えているそうだ。
取手を音楽の街に
長く音楽をやっているとバンド間の交流も生まれ、音楽を通した友人もたくさんできる。今回、ジャズ・フェスティバルを開催するきっかけを作ってくれたのもそんな音楽仲間だ。これまでもアートによる街づくりをすすめてきた取手市。主に美術がメインであったが、音楽も街づくりに活かせないだろうか。そんな思いを抱いていた岡田さんに、つくばでジャズ・フェスティバルを開催したことがあるバンド仲間が取手でもやろうと声をかけてくれたのだ。ところが開催候補地を考え、取手市に予算も申請し、着々と準備を進めていた昨年5月、その友人が突然亡くなってしまった。友人が主導で進めてくれていただけに岡田さんは途方に暮れたが、自分がやるしかないと覚悟を決め、市の「音楽による街づくり事業」の一環として中心となって活動し、やっと開催にこぎつけた。
当日は知り合いのアマチュアバンドの他、プロの演奏家にも出演してもらえることになった。それもジャズ界では有名なピアニストである佐山雅弘さんをはじめ、一流アーティストが揃う。パーカッションのワークショップの講師には、数々の有名アーティストと共演をしているパーカッショニスト岡部洋一さんにお願いすることもできた。地方のコンサートでこれほどのトップ・プロの演奏を、しかも格安の料金で聴けることはめったにないそうだ。「ひなまつり会場やパペエテさんでのライブもあります。ジャズというと馴染みのない人は構えてしまうかもしれませんが、難しいことは何もありません。楽しんで聴いてくれればそれで十分。ぜひジャズの楽しさを感じてください」と岡田さん。
取手の街が音楽にあふれる2日間。「取手=ジャズの街」として定着させ、ジャズ・フェスティバルを第2回3回と引き継いで、東京や近隣の県からも聴きに来てもらえるように育てていくのが夢だ。それにはまず地元から盛り上げていきたい。地元の人がジャズに親しみ、ジャスを好きになってもらいたい。そのためにも「ジャズ・フェスティバルにぜひ足を運んでください。きっと楽しい時間が過ごせると思います」とPR。会場である取手市民会館の収容人数は1100人。記念すべき第1回、ここを満員にして観客みんなで盛り上がるべく、直前まで岡田さんの奮闘は続く。
プロフィール
岡田 儀春 Yoshiharu Okada
1955年取手市生まれ。取手市在住。
取手市内の小・中・高校を卒業後、流通経済大学を経て1977年より取手市役所職員。
1980年 アマチュアのビッグバンド「Swing’80」を結成。
以来30余年、15人のメンバーとともに、地元のイベント等で年6〜7回演奏活動を行なっている。
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