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フォークダンス指導者 立原 久美子さん

投稿日: 2011年9月20日

フォークダンス指導者 立原 久美子さん

世界の民族舞踊フォークダンスをより多くの人に踊ってほしい

いつでも、どこでも、誰でも気軽に踊れるフォークダンスを始めて28年。
その楽しさを多くの人に知ってもらおうとサークル等で指導をする立原さん。
会員の輪は100名ほどに広がりたくさんの人に笑顔と踊る楽しさを届けている。

“一体感”がフォークダンスの魅力

華やかな民族衣装に身を包み、軽快なステップを踏む立原さん。独特な旋律の外国民謡に合わせて優雅にときに激しく踊る立原さんのダンスは、遠い異国の地をイメージさせ、見る側も楽しい気分にさせてくれる。そして一緒に踊るメンバーも、童心に帰って心から踊ることを楽しんでいるかのように輝いている。
フォークダンスと聞いてイメージするのは、子どもの頃一度は踊ったことがある『マイムマイム』や『オクラホマミキサー』だろう。キャンプファイヤーの定番としてもお馴染みだ。フォークダンスとは世界各地で踊られる民族舞踊のことで、一般的に欧米のものが多い。その始まりは狩りの収穫を祝う踊り。連帯感を得るためにみんなで踊ることを目的としていたため、誰もが楽しく踊れるダンスであるという。多少の上手下手は気にせず、知らない人同士が手と手を取り合って一体感を感じながら踊る、それがフォークダンスの醍醐味だそうだ。

フォークダンスとの出会い

 
そんなフォークダンスに魅せられた立原さんが、初めてフォークダンスに出会ったのは子どもが小学生のとき。運動会のPTA種目でフォークダンスを披露することになり誘われて踊ったところ、今まで聞いたこともない外国音楽で踊る楽しさにすっかり夢中になり、その後迷わずPTAのフォークダンスサークルに入会。ご主人の転勤でその小学校を離れるまでの2年あまり、まだ幼かった下のお子さんを連れて熱心にサークル活動に通った。さらにレベルアップを目指して、都内までレッスンに通い指導者資格も取得した。
その後、転勤族のご主人とともに引っ越した先でもサークルを見つけてフォークダンスを続けていたが、とくに指導者になるつもりはなかったという。ところが取手に越してきた20数年前、たまたま子どもの小学校の謝恩会でフォークダンスを披露したところ好評を得、一緒に踊ったお母さん方からサークルを発足させようと話が盛り上がった。そこで立ち上げたサークルが『取手すずらんフォークダンスクラブ』。20年以上を経て今でも継続している歴史あるクラブだ。その後もいくつかのサークルを立ち上げ、今では全部で4クラブ、会員は60代、70代を中心に100名近くになった。

694person2フォークダンスは「楽しく、笑顔で」

 
今やシルバー世代が多くなったフォークダンスクラブ。そのモットーは「楽しく、笑顔で」だ。自分が初心者の頃、親切丁寧に教えてもらった喜びを指導の原点とし、同じような喜びを味わってもらえるよう心がけ、皆が楽しめるように常に気を配っている。たとえ間違ってしまっても笑って済ませるアットホームな雰囲気がメンバーには心地いい。気持ちよく身体を動かし、たくさん笑って2時間のレッスンを終えて「楽しかった」と帰ってもらえることが何より嬉しいと言う。
年を重ねると身体も思うように動かなくなり、外出することを億劫がる人も多いが、クラブに通ってくるメンバーは皆、生き生きとしているそうだ。いつもより念入りにお化粧をして、背筋を伸ばして華やかな衣装を身に付け、普段とは違う自分になれる。そんな“変身”ぶりを楽しめることこそが、若さの秘訣なのかもしれない。

フォークダンスを通して新たな絆を

 
立原さんの目下の課題は若い人にフォークダンスを知ってもらうこと。最近は学校でも踊ることがほとんどなくなり、フォークダンスを知らない人も多い。しかし「フォークダンスはいつでも、どこでも、誰でも踊れるとても楽しいダンスなんですよ」と立原さんはフォークダンスの魅力を語る。さらに手をつないで輪になって踊ることが基本であるため、他のどんなダンスよりも連帯感が感じられるという。成長するにつれ親子でさえも手をつなぐ機会は少なくなり、他人同士ならなおのこと触れ合うことなどほとんどない。しかし手をつなぐことで感じる人の温もり、輪になってお互いの顔を見合わせることで抱く親近感、フォークダンスを通してそんな人と人との絆を感じることができたらとても素敵なことだろう。人との繋がりに関心が集まっている今だからこそ、人が集まるイベント等でもっともっとフォークダンスを取り入れれば、新たな絆が生まれるきっかけになるかもしれないと思う。
そしてフォークダンスには「踊る」こと以外に「知る」という一面もあると言う。フォークダンスは各国の民族舞踊であるため、曲や踊りには国の歴史や文化が重なる。民族問題で長年揺れているイスラエルには団結を意味する踊りが多いなど、ダンスを通して人々の思いや悲しみを知ることもできる。踊りを通して世界の国々を知る体験を、ぜひ未来を担う子どもや若い人たちにしてほしい。国際理解を深める一つの手段としてフォークダンスを活用してほしいと立原さんは願っている。
現在は10月の取手市文化連盟の舞台発表に向けて練習の真っ最中。年齢も体力もさまざまなメンバーだが、共通しているのは皆「踊ることが好き」ということ。人生の先輩も多く、踊りを指導する一方で学ぶことも多いという立原さん。「自分を支え成長させてくれる会員さんは私の宝物です。元気な先輩方を見ると私もがんばらなきゃと励みにもなります。これまでフォークダンスを通して得たたくさんの素敵な人との出会いに感謝しています」と語る。そして「ここまでやってこられたのは『自分の人生、やりたいことをやったら』と背中を押し支えてくれた主人をはじめ、理解し協力してくれた家族のお陰です。これからも自分を支えてくれる人との出会いを大切に、大好きなフォークダンスの普及に努めていきたい」と笑顔で語ってくれた。

プロフィール

立原 久美子  Kumiko Tachihara

埼玉県越谷市出身。取手市在住
フォークダンス歴 28年
日本フォークダンス連盟公認指導者資格2級
茨城県フォークダンス連盟理事
取手市文化連盟理事
取手すずらんフォークダンスクラブ(1989年発足)、シルバーフォークダンスクラブ(1991年発足)、戸頭フォークダンスクラブ(1994年発足)、すみれフォークダンスクラブ(1995年発足)にてフォークダンスの指導に当たる。その他、高齢者学級や小学校でフォークダンスを指導。
取手市文化祭には発足以来毎年参加しており、2009年、取手市文化連盟より文化祭20回参加の表彰を受ける。

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