[鍼灸師]折橋 梢恵さん/[美容師]中島 かおるさん

[鍼灸師]折橋 梢恵さん/[美容師]中島 かおるさん

  • 2009年4月7日 
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身体が持っているキレイになろうという力、健康になろうとする力に気づいているだろうか。
その力に気づくことで、キレイになるための意識が身体に伝わっていくらしい。
時には自分と向き合って、自分を発見することがキレイへの近道かもしれない。

鍼灸師である折橋さんと美容師の中島さん。専門分野は全く違う二人が、ひとつの言葉で繋がった。キーワードは「美」。二人が歩んできた道と抱いた思いから美とは何かを伺った。

 

─まずは、折橋さんが鍼灸を始めたきっかけを教えてもらえますか。

折橋 学生の時に中国に語学留学に行ったんです。その時にお世話になった女性が中医師で、はりきゅうで治療している現場を見学させてもらったのですが、中医師(ドクター)として女性がいきいきと活躍していました。中学の頃から、独立して出来る仕事がしたいと思っていました。女性だから出来る仕事がしたいと考えていた時に、中国で鍼灸師という仕事に出会い、この仕事は女性という性を活かせる仕事ではないかと思うようになりました。特に、相手が女性の場合、女性同士だから分かってあげられることはたくさんあるかなと。

 

─はりきゅうは痛いのでは?熱いのでは?と言うイメージがありますが。

折橋 本来、鍼灸は傷をつけることで治そうとする力、治癒力を高める治療法です。お仕置きを意味する「灸をすえる」と言う言葉の通り、熱くなければ効果がないと言われる先生もいます。けれど、治療法も変わってきているので、鍼は髪の毛程の細さで痛みはあまりありませんし、灸も気持ちの良い温かさのものもあります。私はアロマと組み合わせる方法を取ることも。

 

─最近では顔に鍼を打つ美容鍼がブームになっていますね。

折橋 そうですね。美容鍼はハリウッドスター達が美容目的で使用したことで、リフトアップや美肌効果で知られるようになり、世界のセレブの間に広まっていきました。中国からすると逆輸入です(笑)。東洋医学の考えとして身体の中からキレイにしなければ、美しさは生まれない。身体の状態をキレイにするために鍼灸が利用されています。
中島 東洋医学では「髪は血の余」と言います。髪も身体の中を表すんですよ。生活環境やストレスなどでも髪質は毎日変わるんです。髪や頭皮を見ただけでその人の健康状態に気づくこともありました。

 

─中島さん自身も鍼を打つことがあるんですか?

中島 あります(笑)。定期的にやることで全然変わってきて、こんなにいろいろなものが滞っていたんだと気づいてびっくり(笑)。自分も癒してあげなきゃと、自分でホントの自分に気づくことが出来ました。自分の不調の原因に気づいていない人も多いと思いますよ。

 

─健康でいることは大事ですね。

中島 髪の施術と一緒にアロママッサージやヘッドヒーリングをすると、顔の表情も変わってくる。髪だけではなくエステ的なものが何かできないかと13年前にアロマを始めました。お客様と一緒にキレイになれたらいいな、いつまでも共に美しくありたいと、そんな気持ちでした。
折橋 アロママッサージは、芳香療法とも言うんですが、鼻から嗅いで脳をリラックスさせる効果と、皮膚からマッサージで浸透させていく「手当て」の効果があります。治療のことを「手当て」と言いますが、手で触られることがとても大切なんです。
中島 折橋さんと知り合ったのも、職業病?で手が痛くて「手当て」してもらったのがきっかけだよね(笑)。

 

─美容師と鍼灸師、一見なんの繋がりもないように感じますが、その二人がコラボするようになったきっかけは?

中島 美容師を始めてしばらくは、美容師に求められるのはカットの上手さ、デザインだと思っていました。毛髪知識もなく薬剤の成分にも無頓着。けれど、髪の健康、髪質を大事にしている友人に出会い考え方が180度変わったのです。それからは、シャンプーや薬剤を作ってみたり、毛髪や成分の勉強もして、それだけでは足りず、内面からのアプローチとしてアロマや東洋医学の勉強をしました。
その中で分かったことは、髪と身体は繋がっているということ。身体をきちんとしないと髪もキレイにならない。でも私は身体の専門家ではないので、髪の施術だけでは限界がある。折橋さんは身体のことはスペシャリストだけれど、髪は専門外。じゃあ、お互いに助け合えばいいかという事になり…。
折橋 身体の施術で髪が変わるのは、興味深かったですね。
中島 身体の情報が髪に伝わるのは、約2,3ヶ月後と言われています。例えば髪のクセが強くなったりする。それは身体の最終警告なんです。そのことに気づくことがとても大切。キレイになろう健康になろうという力は誰もが持っているのに、自分のことは自分では気付かないことが多い。そのお手伝いが私達に出来たらなと思いました。

 

─身体と髪、トータルで考えることで、キレイになれるということですか?

中島 そうですね。心と身体は繋がっていて、日々の感情やライフスタイルが身体や髪に出ます。東洋医学では「血」の巡りが大切な役割を果たし「気」と「水」の流れが整うことを重んじます。内面を整えていくことで本当の「心と身体からの美」が手に入るのではないでしょうか。

 

─今後の抱負を聞かせてもらえますか。

折橋 鍼灸はまだまだ認知度が低く、その良さが伝わっていないと思います。美容鍼を提案することで多くの方に鍼灸治療の素晴らしさを理解してもらえればと思っています。
中島 美容師と言う立場から、本当にキレイになると言う事は、どういうことなのか伝えてきたい。たくさんの方に分かってもらえたら嬉しいですね。

─ありがとうございました。

 

折橋 梢恵 Kozue Orihara

鍼灸師/中国へ語学留学をした時に鍼灸に出会う。浜松医療学院、東京衛生学園専門学校卒業。AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー資格取得、美容整体アカデミー講師や鍼灸整骨院勤務後、現在は信州医療福祉専門学校非常勤講師、セラ治療院勤務。2008年4月、出張専門治療Salon Fiumをオープン、美容を中心とした鍼灸治療、アロマトリートメントの施術、セミナーの企画運営に携わる。
【Blog/美容鍼灸師 KOZUE】 http://blogs.yahoo.co.jp/bishinbari/

 

中島 かおる Kaoru Nakajima

美容師/茨城理美容専門学校、ヴィダルサッスーンロンドンアカデミースクール卒業。レブロンフェイシャリスト・ネイリスト。JASアロマコーディネーター協会所属。フリーランスにより数多くのサロン創りをプロデュース。2005年「Rire」オープン。アロマや東洋医学を学び、オリジナル技術である「ランテージュ」「ヒーリング」技術を考案し、現在東洋医学を学びつつ新しい美容価値を広めようと活動中である。
【ホームページ】 http://www.rire-marsdix.net/

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シンヴィング編集部

1994年創刊の地域情報紙シンヴィング。 もっと『守谷』『取手』『つくばみらい』を合言葉に茨城県南地域の情報をお届けします。

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