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投稿日: 2018年12月27日

“運動神経”のよい子に育てたい!幼少期のスポーツ系習い事「何を・いつ・どう」がベスト?

走る・跳ぶ・バランスを取るなど、さまざまな動きができるようになる幼児期。
成長を実感する中で、習い事を始めようと考えるパパ・ママも多いのではないでしょうか?

そこで今回は、流通経済大学の大平正軌さんと保育士でありながらフィットネスインストラクターとしても活動する亀田直之さんの対談から、スポーツ系の習い事について「何を・いつ・どう」判断すべきなのかをひも解きます。

大平正軌道さん(左)と亀田直之さん(右)。

幼児期から始めるメリットとは?

亀田さん(以下敬称略):
確かに、スキャモンの発育曲線(下図)を見ると身体の神経型が発達する12歳までの間に、いろいろな動きを体験させるのは、いわゆる「運動神経」の基礎を身に付ける上でメリットがあると言えます。
ただ、それらの幼少期に必要な動作や運動量は、昔であれば外遊びの時間で十分に足りていたはずなんです。

大平さん(以下敬称略):
押しくらまんじゅうに鬼ごっこ、ゴム跳び、めんこ。昔の遊びには、走る・投げる・跳ぶ・バランスを取るといった動作が自然に入っていた。
運動量はもちろん、基本的な身体活動を遊びながら身に付けていたんですよね。

亀田:
その通りです。その時間が環境の変化や生活スタイルの多様化で、どんどん減ってしまった。
だから、私としては毎日の過ごし方を少し変えることも必要だと思っています。
特に幼児期は「愛着形成」といって、親子の心のつながりを深める大切な時期でもあります。
一緒に“じゃれあい”、“目を見て褒めて”遊ぶことを意識していただきたいですね。

大平:
我が家も3人の子どもがいますが、共働きなので外遊びが難しい時は、家の中で組体操のようなことをしてみたり(笑)。
工夫して体を使う遊びをしています。

亀田:
簡単な室内運動は、たくさんありますよね。
置かれたひもの上を綱渡りのように歩いたり、四つんばいになった大人の背中を登ったり、くぐったりする“トンネル遊び”など。
習い事もいいですが、お子さんとの時間に運動を取り入れるという風に考えて楽しんでほしいですね。

スポーツの適性は見分けられる?

大平:
体を使う“器用さ”、4歳前後から少しずつ差が表れるので見分けることは可能だと思いますが、それよりも見分ける必要があるのかという部分です。

亀田:
楽しめているかな?という視点が大事ですよね。

大平:
とても大切です。今、指導の現場でも「ダブル・ゴール・コーチング」といって、スポーツに「競技力の向上」と「人間的な成長」の2つのゴールを設ける考えが注目されています。

亀田:
スポーツの目的は勝つことや結果だけではないということですね?

大平:
そうです。勝ちたい気持ちも大事にしつつ、スポーツを通して内面の成長をも促すというアメリカ発のコーチングモデルです。
たとえ運動が苦手な子でも続ける中でできるようになることや内面の成長があるはず。
結果だけではなく、ぜひそこに目を向けてあげてほしいですね。

ますます過熱するスポーツの低年齢化

大平:
アスリートたちが、幼少期から活躍してきた姿をメディアが取り上げるせいか、早く始めればスポーツエリートになれると思ってしまう親御さんもいます。
しかし、あれは本当にごく少数の話。私は、あまり早い時期に競技を絞り込むことはおすすめしません。

亀田:
私も同じ意見です。幼少期は、まず「体を動かすこと」に興味や関心を持たせてあげること。
そして、その子の成長に合った動きで体や脳を刺激してあげることが望ましいですよね。

大平:
そうですね。親が将来の活躍を期待しすぎてしまう場合もありますからね。
特定のスポーツに絞り込むのは、本人の意思が確認できてからで十分だと思います。

一番嫌いな時間は帰りの車の中

大平:
ある書籍でアメリカの大学生アスリートたちに、彼らが子どものころスポーツ活動で嫌な時間はいつだったか?という質問をしたところ、一番多かった回答が「帰りの車の中」だったという記述がありました。
その理由が、練習や試合について、保護者からあれこれ言われるのが苦痛だったと。
この結果には、少し驚きましたね。

亀田:
親はコミュニケーションのつもりでも、子どもにとっては違ったんですね。

大平:
逆に、一番嬉しかった言葉が「あなたのプレーを見るのが好き」だったそうです。

亀田:
なるほど~。スポーツをしていると耳にすることも多いモチべーション(動機づけ)ですが、それには「①外発的動機づけ」と「②内発的動機づけ」の2種類があります。
一時的な効果が期待できる、①の代表例はご褒美です。また逆に「これをしないと○○させない」といった懲罰的な要素もこちらに入ります。
また、効果が持続しやすいといわれる②は、自分で持った興味・関心から生まれる意欲。楽しい、勝ちたい、上手くなりたいという気持ちです。親を喜ばせたいという動機もこちらに入るので、内発的な意欲を上手に刺激する言葉なんでしょうね。

大平:
特にスポーツの経験がある親御さんだと、つい口を出したくなりますが、そこは歩いただけでも大喜びしていたころを思い出しながら、グッとこらえていただいて(笑)。
応援団として親も楽しんでいる様子を伝えることが、子どもにとっては一番の“やる気スイッチ”なのかもしれませんね。

 

Profile‒プロフィール

大平正軌 [Masaki Ohira]

守谷市在住。サッカー選手として活躍したのち指導者の道へ。
全国大会の常連である流通経済大学サッカー部にて15年間、プロコーチとして活躍した。
現在は、同大学にて助教を務める。
茨城県教育委員会部活動スーパーアドバイザー。
JFA公認S級コーチライセンス認定者。

 

亀田直之 [Naoyuki Kameta]

石岡市在住。保育士として働く傍ら、フィットネスインストラクターとしても活動。
日本スポーツ協会公認ジュニアスポーツ指導員の資格を持ち、同協会が開発した運動プログラム「アクティブ・チャイルド・プログラム」の普及にも努めている。