花子と花男の会のみなさん

花子と花男の会のみなさん

  • 2010年6月17日 
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観葉植物

花のある街、花のある暮らしを楽しもう。

花の仕入れを通して知り合った花屋仲間が集まった。これからの花屋はどうあるべきか、自分たちに出来る事ってなんだろう?
情報交換ができて、仕事の悩みや相談を話し合える仲間がいることが、仕事の励みになっているという。花を通して伝えたいもの、それぞれの思いを伺った。

 

店が終わり、取手、守谷、我孫子、柏、東京から一人また一人と仲間が集まってくる。不定期で開かれている花屋さんの会は、メンバーはみな同年代、気兼ねなく会話の出来る仲間である。
この会の発起人である上野徳翁さんは、世田谷中央卸売市場で花の仲卸をしている。「仲卸ですから、自分のお客様は小売りの花屋さんで、たくさんの花屋さんと知り合いになれるんです。自分とそれぞれの花屋さんは知り合いだけど、花屋さん同士、横のつながりってあまりない。自分と年齢の近い人ががんばっているのを見て、仕事に困った時なんかに情報交換できる場所があればいいなと思って、この会を作りました」と上野さん。
上野さんは小売りの花屋で修業した後、スケールの大きい卸売の仕事に魅力を感じ、転職。朝は早く大変なこともあるけれど、どんどん花の仕事が面白くなっていると言う。

 

【自分が作ったもので喜んでくれるのが嬉しい】

つくばみらい市に工房のある「ジャグリーン」の竹内沙衣さんは、仕入れから配達まですべてを一人でこなしている。手作りが好きだった高校時代、自分が作ったもので、誰かが喜んでもらえるような仕事がしたいと花の専門学校へ進学。フラワーアレンジの他にもディスプレーや植え込みなどの仕事をこなしている。「花と関わって、自分が作ったものでお客様が喜んでくれると、こんなに嬉しいことはないと思いますね」と竹内さん。

 

【あげる人も嬉しいし、もらった人も嬉しい花】

守谷市にある「ベイビームーン」の店主倉持裕一さんは、学生の頃、プレゼント用の花を買いに行った時に「花を贈るのって、なんかいいな」と思ったのが花屋になったきっかけだったと語る。「実は男性のお客さんのほうがロマンチスト(笑)。自分が男なので、花を買いに来た男性の方は、相談しやすいようですね」。相手の喜ぶ顔を思い浮かべてプレゼントする花を選ぶ。花のギフトの良いところは、贈る人もその花を見て嬉しい気持ちになれるし、もらった方も嬉しくなる、二人の人が喜んでくれることだという。「自分で店を始めたら、経営とか考えなければいけないことも増えましたが、まずは、どうしたら喜んでくれるかが、最優先ですね」と倉持さん。

 

【お花のことをすべて知っているのは花屋さん】

 取手市(旧藤代)で「アヴィリオフラワーズ」を主宰する宮島雅子さんは、親の代から続く花屋さんを受け継いでいる。子供のころから花が身近にあった環境で育ったが、初めから花屋になろうとは思っていなかったそうである。イギリスに留学して花の勉強をし、フラワーデザイナーの資格を取った。時にはフラワーアレンジのレッスンをすることもある。「お花の先生にあこがれた時期もありましたが、こうして花屋の仕事をしていると、花のすべてを知っているのは、花屋なんだと実感するんです。花の市場を知り、花を仕入れ、水揚げなどの手入れをして、どうしたら花が長く美しく咲いていられるか考える。やはり花だって基本が大事なんですよね」。毎日お客様の気持ちになって花束を作る、店頭でお客様と話をすることも楽しさのひとつ、どんどん面白くなって飽きない仕事ですと宮島さん。

 

【それぞれのスタイルと思い】

上野さんと同じに柏市公設卸売市場で仲卸の仕事をしている日田幸夫さん(有限会社ヌカガ)は、こうやって集まった仲間の話が聞けることが学びになっているという。自然に関わる仕事がしたいと軽自動車で移動販売の花屋から始めた稲葉英樹さん(我孫子市「花楓」)は、街に似合う花・花に似合う街をコンセプトに、夫婦で店を切り盛りしている。それぞれの店でスタイルも違う。どの花屋さんも同じ仕事をしているのかというと、ブライダルが得意な店、店頭ディスプレーが上手な店と、店によって特徴がある。店同士を比べることも少ないが、良く見ると売っている花も違っているそうである。

 

【花を楽しみ、心を育てる】

さて、「花育」という言葉をご存じだろうか。子供のころから花に親しむことで、心豊かな子供たちを育んでいこうというものである。「花子と花男の会」では、花育が話題に上がることも。前述の上野さんは、月1、2回小学校を訪問して、子供たちにアレンジを作る指導をしている。自分で花を選び、アレンジが始まるとどの子供も集中して取り組んでいるそうだ。宮島さんは「子供って発想が自由。菊を仏壇の花とは思わないから、自由に花を選ばせると、黄色の菊に赤いバラと紫の花を組み合わせてみたり、既成概念がないってすごいなと思いました」と語る。
身近な所に花のある暮らしを楽しんでほしい、会の仲間誰もが思っていることである。「お母さんが庭いじりが好きだったとか、子供のころお花に触れる機会が多い人ほど、大人になっても花を楽しむ傾向にあるようです。食卓に花が1輪あるだけで、家族の会話が増えるし、コミュニケーションがとれますよね。花を通して、きれいなものを素直にきれいと思えて、きれいだねと共感しあえる、そんな環境作りを大切にしていきたい」と宮島さん。

 

【今後の活動について】

こうやって、仲間が集まれる場所があることで、それぞれが店に戻った時に励みになる。また、一人では出来ないことも、みんなで何が出来るか考えれば、きっと何か出来る。「花が身近にある自分たちが、協力しあってもっと花のある街づくりが出来ればと思う」と上野さん。
大切な人へのプレゼントに思いを込めて花を添えてみてはいかがだろうか。

 

 花子と花男の会

稲澤英樹さん:    花楓代表 我孫子市我孫子4-20-38
日田幸夫さん:    花き仲卸(有)ヌカガ 柏市若柴69-1
倉持裕一さん:    BABY MOON代表 守谷市立沢187-6
上野徳翁さん:    (株)フローレ21世田谷店世田谷区大蔵1-4-1
宮島雅子さん:    アヴィリオフラワーズ代表取手市宮和田371-1
竹内沙衣さん:    jyagreen代表つくばみらい市豊体1096-1

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シンヴィング編集部

1994年創刊の地域情報紙シンヴィング。 もっと『守谷』『取手』『つくばみらい』を合言葉に茨城県南地域の情報をお届けします。

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