常総アイデンティ代表 富田 哲二さん

常総アイデンティ代表 富田 哲二さん

  • 2010年7月10日 
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「おらがチーム」として輝くクラブを作りたい。

つくばみらい市に本拠地を置き、地域に根ざしたクラブチームを運営している「常総アイデンティ」。
サッカーの楽しさを知ってもらい、大人になっても続けられるサッカーを教えたいと指導を続けている富田哲二さん。
サッカーというずっと熱中できるものを見つけられたことは、自分の人生にとってかけがえのない財産だという。
今の子供たちにも夢中になれる、熱中できる楽しさを伝えたいと富田さん。

 

「がんばれ!常総アイデンティ」青いのぼりを町のあちこちで目にする。常総アイデンティはつくばみらい市に本拠地を置き、活動しているサッカークラブである。現在700名の会員が在籍し、20年の実績をベースに、10年後のJリーグ入りを目指して練習を続けている。
代表であり、トップチームの監督を務める富田哲二さんは、自身も小学生からサッカーを始め、現在までずっとサッカーを続けてきた。子どもの頃、東京オリンピックで行われたサッカーの試合を夢中で見たのが、サッカーとの出会いだったそうである。「始めてサッカーを観た時から、情熱やときめきを感じました。早速、友達を誘って自分たちで練習をして、自分で熱中できるものを見つけられたのは、幸せでしたよね。私にとっては一生続けられる魅力のあるスポーツで、サッカーを知らなければ全く違った人生だったと思います」と富田さん。

 

【サッカーは楽しい!】

富田さんが、子どもたちにサッカーを教える時に心掛けていることは、第一にサッカーの楽しさを知ってもらうこと。「サッカーってこんなに楽しいんだという気持ちを実感して、サッカーが好き、もっとやりたい、楽しい!という気持ちで練習が出来れば、大人になってもその気持ちを持ち続けることが出来ると思うんです。いくつになってもサッカーをしたいと思える、生涯スポーツとしてのサッカーを教えていきたいですね」。
サッカーを楽しいと思わせるにはどうしたらいいのだろうか?その問いに返ってきた答えは「遊びの部分を大事にしてあげること」だそうである。サッカーはゲーム。ゲームの根本には遊びがある。「子どもたちがゲームを楽しいと思うのは、自由があるから。自由という枠の中で判断して、自分なりに工夫して、好きなことが出来るという遊びの世界を、サッカーに作ってあげるんです」と富田さん。子どもたちは好きという気持ちがあれば、どんどん吸収していくという。強制してやらせるのではなく、自らが考えられる「自主性」を大切にしているという。

 

【サッカーを通して伝えたいこと】

子どもたちに教えたいことは、サッカーに限らない。サッカーを通して、目標を持って何かを成し遂げることの大切さが身につけば、人生においても、何をしたいのか、どうあるべきかが分かってくるという。「目標が見つからない、考えられないという子どももいますよね。サッカーはゲームですから、目標が持ちやすいし、分かりやすい。違う分野に進んでも、サッカーで学んだことが活かせるようになります」。
社会性やがまん強さ、社会をよくしていこうという気持ちを育てようと、市が主催するボランティア活動などにも参加している。今年は、田んぼを借りて田植えを体験。食物が成長していくためには、手をかけてあげなければいけないことを学び、また、自然に触れ合うことで、心が安らいでいくことも子ども達の成長に大切なことだという。

 

【人とのかかわりが一番大切】

仲間の中でしか生きていない子どもたちは、先輩後輩の関係や大人との関わりも少ない。いつの時代でも人は人がいなければ生きていけない。自分の周りにはたくさんの人がいることを知り、関わっていくことが人生の財産になると富田さんは考えている。
練習では、通常練習の他に、年齢を越えた練習をしている。自分より小さい子どもと練習する時には、相手にどんな思いやりを持ってサッカーをするか、先輩後輩の関わりも練習の中で学んでいく。コーチは11名、たくさんのコーチにみてもらうことも、人間形成に役立っている。「特に、中学生の思春期を迎えた子どもたちは難しい年頃ですが、練習姿を見ていると、どんどん変わってきて、いい顔になったなと思う子どももいます」。

 

【Jリーグ目指して】

サッカーの面白さは「判断」の難しさにもある。試合中に判断するのは、コーチではなく選手である。コーチが出来るのは、一人ひとりの判断をいかによく出来るようにするかである。勝ち負けだけが重要ではない。年代に応じたものを与えていくことが大切で、それは今すぐの勝ちには通じないかもしれない。けれど、小学校卒業と同時に、サッカーをやめてしまうような子どもは作りたくない。先の年代にいった時に、今やっている練習が活きてくるような、そんな指導をしたいと富田さん。20年を越える指導歴の中で、多くのプロサッカー選手を輩出。1995年アイデンティの一期生だった大谷武大さんは、水戸ホーリーホックでプロ選手として活躍、現在はクラブに戻ってトップチームの選手として活躍、スクールの指導も担当している。「大谷くんは、天真爛漫で明るくて頑張りやでした。子どもの頃から負けず嫌いはプロ並みでしたね(笑)。20年前の生徒がパパさんサッカーで復活したり、自分の子どもがサッカーを始めて親子でサッカーを楽しんでいる人もいます。50代、60代になってもサッカーが楽しいと思えるような指導をしたい。いくつになってもサッカーが出来る環境がある、クラブの存在は大きいとおもいます」。
今後は「おらがチーム」として地域のみなさんに応援してもらえるような、輝いたチームを作っていきたい。関東リーグ、全国リーグ、Jリーグを目指して頑張りますと富田さん。

 

 富田 哲二  Tetsuji Tomita

1954年    石川県金沢市生まれ
1973年    読売クラブ(現東京ベルディ)所属
1975年〜1985年 ドイツケルンスポーツ大学他でサッカーを学ぶ
1988年    ドイツより帰国後、エルフスポーツクラブ設立、小学生以下の子供たちのサッカー指導を始める。
1995年    エルフスポーツクラブの子どもたちが中学生になるのをきっかけに、保護者が中心となったボランティア組織として、常総アイデンティが設立される。
2007年    常総アイデンティーがエルフスポーツクラブの傘下に入り、運営統合。
2008年    小学生年代のエルフスクールを常総アイデンティのスクールとして改名し、小学生からトップチームまですべてのチーム名が常総アイデンティとなる。
現在は取手市、竜ヶ崎市、守谷市、下妻市、つくばみらい市でスクールを運営

【これまでの契約選手】
大谷武大、清水悠葵、蓮沼剛、飯田真輝、福田健人

常総アイデンティ
つくばみらい市小張字新山3983-1
TEL0297-44-5551
http://www.identy.jp

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シンヴィング編集部

1994年創刊の地域情報紙シンヴィング。 もっと『守谷』『取手』『つくばみらい』を合言葉に茨城県南地域の情報をお届けします。

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