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投稿日: 2018年2月23日

力士:立浪部屋所属
天空海翔馬[Shouma Akua]

四股名に願いを込めて天を目指して空を翔ける。

四股名に願いを込めて天を目指して空を翔ける。

稀勢の里、高安と県内出身の力士が話題だが、
二人に続いてほしいと期待されているのが
1月場所で念願の十両昇進を果たした
大洗町出身の天空海さん。
「あくあ」と読む四股名が注目され、
珍しい名前のお相撲さんとして知られるが、
番付も上がり、親しみやすい人柄で
人気も上昇中。
そんな天空海さんに話を伺うべく、
つくばみらい市の立浪部屋を訪れた。

夢をあきらめ角界で新たな一歩を

巨体と巨体がぶつかり合う鈍い音の中に、
力士たちの激しい息遣いが聞こえる
朝の稽古場。
厳しい顔をした力士たちは、
ほとんど休む間もなく黙々と稽古に励む。
土俵の上に何度も転がされ、
体はあっという間に砂だらけだ。

立浪部屋の16人の力士の中でもひときわ大きく、
迫力ある相撲で目を引く天空海さん。
身長183㎝、体重170㎏の恵まれた体格で
若い力士たちの眼前に立ちはだかっていたが、
土俵を離れると一転し、
人懐こい笑顔を見せてくれた。

子供の頃から目立って体格がよく、
「中学では野球部に入ろうと思っていたのに、
先生に誘われて入った」という
柔道を高校まで続けた。
中学は「ゆる~くやっていた」が、
高校では厳しい先生の指導の下、
初めて真剣に一生懸命に取り組んだ。
努力の甲斐があって、
3年生のときにはインターハイ出場も果たした。

実家が自動車販売業をしていたこともあり、
卒業後は自動車整備士の資格を
取得するため専門学校へ。
「自動車が好きで、トヨタが好きで、
トヨタで整備士として働きたかったんですけど、
体がデカすぎて無理だって。
腕や指が太いからエンジンルームとか
細かいところに入らないでしょって言われて(笑)」。
そんなときに父親に勧められたのが角界入り。
格闘技が好きで
ジムに通うことを考えていた天空海さんは、
「相撲のことなんてよく知らないまま
ここ(立浪部屋)に連れて来られて、
ちゃんこ鍋食べさせてもらったら美味しくて、
気づいたら入門することになっていて、
回しも用意されていました」と、
笑いながら7年前を振り返る。

2011年3月、専門学校を卒業して
本格的に部屋入りの準備をしていた矢先、
東日本大震災が起こり、自宅は津波の被害を受ける。
自分だけ家を出ていくことに迷いもあったが、
父親が「家の事は気にするな」と後押しをしてくれ、
立浪部屋での生活を始めた。

慣れない生活の中ひたすら稽古に励む

入門当初は、
「団体生活に慣れなかったですね」と天空海さん。
年齢も出身地もバラバラの人たちとの大部屋生活。
24時間を共にし、
プライベートなどほとんどない生活に
「自分は勝手気ままな、
のほほんとしたいタイプだから、
合わなかったですね。
今では人のいびきも気にならないし、
逆に自分も周りに気を遣わなくなったけど。
ただやっぱり同い年の人がいないのは寂しいかな」と
本音もチラリ。

入門当初は「柔道もやっていたし体もデカいし、
番付表見て、真ん中くらいまでなら
すぐにいけんじゃね」と軽く考えていたというが、
現実は甘くなかった。
稽古で140㎏の自分が、
序二段の110㎏の力士に全然勝てない。
柔道と相撲は全く別物で、体格だけでは
相手を負かすことができないことを思い知り、
「悔しい」「負けたくない」「強くなりたい」
という一心で稽古を重ねた。
苦しい中でも、良いところを見つけて褒めてくれる
先輩力士の言葉が大きな励みになったという。

15日間の経験を生かしさらなる飛躍を誓う

今では「天空海」の四股名がすっかり定着したが、
入門当初の四股名は貴乃浪祐貴。
成績に波があるので
「浪」を取って成績が安定するようにという願いをこめ、
地元大洗の水族館「アクアワールド大洗」から
読みを引用し、上を目指す「天」と
大洗をイメージする「空」「海」の漢字を当てた。
この改名により、成績も上がり、
幕下上位が定位置となっていく。

そして初土俵から6年余り。
昨年11月に念願の十両昇進が決まり、
今年の初場所を十両十四枚目で迎えた。
結果は4勝11敗だったが
「15日間相撲を取れたことはいい経験になり、
勉強になった。たくさん刺激をもらって、
基礎を大事にしようと改めて気づくことができた。
これからさらに精進して、謙虚な心を忘れずに、
基本に忠実な稽古に励みます」と
気持ちを切り替えている。

相撲界のため地域のために出来る事

天空海さんは地方巡業では、
相撲の禁じ手(反則)を
面白おかしく演じて紹介する初っ切りも担当。
龍ケ崎市にある式秀部屋の爆羅騎(ばらき)と組んで、
お客さんを楽しませた。
「人前に出て場慣れするにはいい機会。
相撲界には700人も力士がいるから、
どこかで目立って覚えてもらいたいし、
どうしたらウケるか考えるのも楽しい。
相撲界を盛り上げるためにお客さんを楽しませて、
相撲ファンを増やしたい」と語る。

また地域の行事に参加したり、
学校や幼稚園に出向いて子供たちと交流したり、
地域貢献も精力的に行っている立浪部屋。
地域でも知られるようになり、
「みらい平では、みんなあいさつをしてくれるのが嬉しい。
とくに中学生とか礼儀正しいですよ」と
地元がすっかり気に入っている様子。

入門してもうすぐ7年。何も知らずに飛び込んだ角界だが、
「お相撲さん」というちょっと特別な存在になったことで、
街を歩けば注目され、飲食店では声をかけられ、
人のつながりも世界も広がった。
「ここに連れて来てくれた父親には本当に感謝してます。
だって俺なんて、髷がなければ
ただの太った人ですから(笑)」と、
おどける天空海さんの笑顔が魅力的だ。

天空海さんの楽しみはツイッターへの投稿。
相撲のことをもっと身近に感じてもらえればと
部屋での様子などをアップしている。
最近では、アニメ映画「君の名は。」の
ラストシーンを真似して撮った写真に
「君の四股名は。」と一言添えて投稿した
ツイッターが11万超のリツイートと
23万いいね!されて、大きな話題となった。
「自分でも驚いていて…
新海誠監督やラッドウィンプスさんからも
リツイートしていただいて光栄です」と
SNSを通した交流を楽しんでいる。
そして「スマホで自分の四股名が
一発変換されるようになりたい」と天空海さん。
ツイッターの勢いにのって
三月場所では好成績を収め、
十両に返り咲くことを楽しみに応援したい。

プロフィール

四股名に願いを込めて天を目指して空を翔ける。

力士 天空海翔馬[Shouma Akua]

本名:高畠祐貴 1990年11月6日生まれ 大洗町出身
立浪部屋所属 水戸産業技術専門学院卒
2010年11月 立浪部屋入門 当初の四股名は豊乃浪祐貴
2011年1月場所 初土俵
2014年3月場所より天空海翔馬に改名
2018年1月場所で新十両昇進
Twitter : https://twitter.com/aquashoma

Information[インフォメーション]

立浪部屋:つくばみらい市陽光台4丁目-122-9